新たな問題
相続問題…
義父が亡くなってから、一週間
お葬式が終わってからは、挨拶まわりや手続きに追われ、悲しんでばかりもいられない毎日
家族としては辛いけれど、やることがある方が、気が紛れていいのかもしれない…
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これからは、義父のことを振り返っていこう
血圧がどんどん下がり始めてからすでに十時間以上
おしっこも出なくなり、徐々に“その時”が近づいている
それでも義父は、生きたいんだ
生きる、生きていたい
家族みんな集まっているし、生きなければ…
そんな気持ちがあるのか、目もほとんど開けることなく、自力で体を動かすことも、排泄することもなく、物も言わない、ただベッドに横たわり、点滴や心電図をはかる装置がつながれ、さらにはモルヒネを自動的におくりこまれてりる義父
本当に、ギリギリのところで生きている
生きるって何なんだろう?
夕方、血圧がどんどん下がっているというので、家族集合がかかった
昨日徹夜で付き添っていたから、午前中は家で寝かせてもらったのに…
リフレッシュどころじゃない
熱が39度超えていたって
そりゃしんどいでしょ
送られている酸素濃度も昨日の倍
それでも呼吸が浅いから、やっと定量に達するくらい
いつスタミナが切れ、呼吸が止まるか…
今晩も徹夜かな
義父がなにも口に出来なくなってから半月
入院してからは、点滴のみ
口からは何も入れることなく生きている
栄養なんてほとんどないはず
水分補給と痛み止めだけで、眠ったまま
みるみるうちに足は細く、骨と皮だけに近い状態
自分で手足を動かす力もなくなり、看護師さんのされるがまま
痛いもかゆいも暑いも寒いも言わない
何か訴えようにも、声を出す力もないように見える
意識レベルの話をされても、脳を癌に冒されたせいなのか、もるひねのせいなのかさえわからない
極端な刺激にだけ反応する身体
それでも義父は生きることを忘れない
苦しいのは義父なのに、一生懸命に生きている
入院してから10日
昨日はどんどん落ちていくのに、ガン細胞はまだまだ活発
顔も全体が腫れ上がり、リンパ節転移のせいか、左頬下からもポコンと膨れ上がっている
義父の身体のありとあらゆる場所から栄養を吸い取り、自らを増殖している
今日また、更に大きくなってた…
入院から9日目…
連休は越せないかもしれないと主治医に言われた義父は、いまだにベッドに横たわっている
自力で何か出来るわけでもなく、要求もない
なにを聞いても、ほわーんとして目をつぶるか開けてるだけ
そんな義父に義母が必死に話しかける
薄目が開いた瞬間に、家から持ってきた趣味の写真があって、みえるか?と何度も義父の目の前につきだして見せていた。
そして動かなくなった体をさすりながら「ガンに勝とう!治って家に帰るんだよ!」などと大きな声で義父を励ましている
もう“死ぬ”のを待つだけしかないのに、いまだに治って帰る気でいるかのように語りかける義母
よそにまで聞こえるその大きな声が、返事が出来ない義父にしている会話が、残酷でむなしい…
昨日の義父は、よく目が開いていた
目が開くので呼びかけてみるも、反応なし
薄ぼんやり目を開けたり、パチッと開けたり
はっきり物も見えていないだろう…っていうくらい、うつろな目
鼻からの腫瘍が顔面に押し出されているせいで、左目周辺はガーゼに覆われていて、なにも見えない
痰の酷いからみのせいで何度も吸引してもらっていた
そのたびにイヤな顔をして、嫌がった
心拍数もかなり上がるので、相当辛いんだと思う
時々顔をキューッとしかめっ面をして、手足をパタパタする
やっぱり痛いのかな…
何度聞いても、「あつい」としか聞こえなくて…
わかってあげることも出来ないもどかしさ
痛むのだったら、モルヒネの量を増やさないとねってみんなの意見
わからない、わからない…
夜になってようやく仕事が終わって病院に行ったら、義父の口からホースが延びて
のどのゴロゴロが酷く、痰がからまるようで、酸素吸入と加湿も出来るネブライザーにつなぎ替えられていた
それでもゴロゴロは治まり悪いし、鼻からの痰吸引はしにくいらしい…
息を詰まらせないか、心配だ
本当は、付き添いはいらない完全看護の病院
でも、いつ亡くなってもおかしくない状況なので、大目に見てくれてるんだと思う
毎日家族で交代して、泊まり込んでる
昨日の晩はわたしが付き添い
一日いなかったから、日中の様子はわからない
でも、比較的安定していたらしい
なのに、夜中になると様子がおかしい
動かなかったのに、急にパタパタ手を挙げる
足も動かしたいようだけど、もう自力では動かせない
たまにうなり声をあげ、体を震わせる
こわかった
寒いのか、痛みか何かで体をこわばらせているのか…
熱がまた38度を超えた
なかなか熱が下がらない
入院してから5日
自力で体が動かせないので、常に体位交換が必要
看護師さんもそうしょっちゅうこれないし、でも体位変換しないと褥瘡が出来るので、エアマットに交換された
自動管理だから、体にある程度の動きがある
それだけでじっとしているときと変わりがあるのかなぁ
徐々に機能が落ちてきている
呼吸するのを忘れている
少し止まっては吸っていた息も、30秒、40秒と忘れ、思い出したかのように深い息を吸い込む…
が、数回深呼吸のような息をし、また忘れる
どんどん酸素濃度も低下し、血圧も低くなってきている
いつ呼吸をすることが忘れてしまわないか、気が気でない
今日は連休初日
そのせいか、見舞い客が異様に多かった
合間に食べ物をかき込む
でもなかなか途切れることのない人に、さすがに疲れたわ
義父ももうろうとした意識の中で、接客したつもりかな?
来客が多いと賑やかでいいけど…
本人にとっても疲れただろうなあ
デュロテップパッチだけでは、痛みがおさまらないのか、ベッドの上で苦しそうに動き回る
担当医の呼びかけには反応は弱く、うまく伝わらない
もう、モルヒネ投与の段階に入ってきているのか…
一時間毎に一定量のモルヒネを自動投与できるように、胸の上に針を差し込まれた
これでどの程度、楽になれるのか
意識障害の方で痛みがわからない方が、本人も苦しまず、見守る周囲の家族にも、楽なのに…
緊急入院で、酸素吸入と点滴処置
個室だから、家族みんなが入れた
意識がないような深い眠りなのか、意識障害でわからないのか…
一日水分がとれなかったから、脱水が酷かったのかな
点滴してもらってから、少し落ち着いたようにも見えた
でも、担当医から言われたのは、この連休を越せるかどうかだと言うこと
今まで寝てたのに、トイレに行くと言いだしたから、連れて行った
当然間に合うはずもなく、オムツの中
それでもトイレで出来る喜び
部屋に戻って、一服しようと声をかけ、水とエンシュア少し…
「ごちそうさま。じゃあ帰るわ」と言いだした
スイッチが入った!
わからなくなった
わけがわかなくなった瞬間だ…
「あ、そう。おつかれさま。」と返事をしたら、満足そうな顔をして立ち上がろうとした
無理だよ…
そして、あなたの帰る場所はすぐ横の布団だよ…
朝は一口も水分がとれなかったから、さすがにドキッとした
熱も37度から下がらない
氷枕で頭を冷やしてあげるしかできない
一時間ほどしてもう一度、今度はポカリスエットをあげてみた
今度は吸える
ガーゼにしみこませたポカリをズーズー音を立て、昨日よりも弱々しいながらも吸い込めた
しばらくしたら、「起こして」と言うので、布団の上で座らせた
やっぱりまだ自力でトイレに行きたいんだ
オムツ履いてても、そこでしたくない、出来ない
自力で行きたいのに、もう介助なしでは立てない、歩けない
なんとかトイレまで連れて行くけど、やっぱり出ない
水分とれてないからね…
仕方ないか
トイレまで行った後、もう一度ポカリを口元に持って行ったら、弱々しくも、結構飲んだ
50ほどだけど
今日も訪問看護に来ると言っていた医者がまだ来ない
もうお昼だ…
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